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【クリスマスの願いごと(大人向け)】

裏の表紙
表の表紙



ナオミ
クリスマスの願いごと


あなたにおくる おはなしのほん


ますやま あつし作
CABジャパン編集
ヴァレリー・ウェブ画
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門屋 奈緒美 さま

メリークリスマス!
これは あなたのために特別に作られた本です。


この炎のように燃える夢を大切に!





20061224
筋肉質のジョニーより
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 「今年のクリスマスプレゼントはどうしよう?」
32歳のナオミはため息をつきました。
世の中はクリスマスムード一色。
街はうきたつような空気に包まれています。
でも ナオミの目下の悩みは、
ジェイクと、島袋への
クリスマスプレゼントが
きまらないことなのです。
部屋に飾られたクリスマスツリーを眺めながら、
ナオミ32回目のため息をつきました。
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 幼い頃、クリスマスの朝には、
プレゼントがいつも枕元に置かれていました。
でもナオミは、もう自分でプレゼントを
探しにいかなければならないのです。
『電話一本、30分でお届け』してくれる、
ピザ屋みたいなサンタクロースはいないかなあ。
プレゼントのことを考えすぎて、
ナオミの頭はオーバーヒート気味!
そのときでした。
郵便受けがコトリ、と小さな音をたてたのは。
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郵便受けをのぞくと、見慣れない模様をあしらった、
一通の手紙が入っていました。
そこには消印も、川崎市
ナオミの住所もありません。
ただ、『門屋 奈緒美様』という文字があるだけです。
封を切ったナオミは驚きました。
そこには、こんな文章があったのです。

門屋 奈緒美
わしはサンタクロース。
クリスマスももうすぐじゃが、いかがお過ごしかな。


サンタクロース??
ナオミの頭はいっきに真っ白になりました。
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 サンタクロースの国は今、
クリスマスプレゼントの準備で大忙しじゃ。
なにしろ、世界中のプレゼントを運ぶんじゃからな。
ナオミはどんなプレゼントをお望みかな。
サンタクロースの国、特製クッキーはどうじゃ。
もみの樹の形をしていて、
それはそれはおいしいクッキーじゃよ。
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ナオミはやっぱりそうかと思いました。
これは最近、近所にできたケーキ屋の、
ダイレクトメールに違いありません。
でも手紙の文章はまだまだ続きます。


プレゼントの用意ができると、
こんどはトナカイたちの準備をしなきゃならん。
金の鈴がついたひもを、一頭一頭つけていくんじゃ。
これがあの有名な
「ジングルベル」という曲になるんじゃよ。
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ナオミは、信じられない、と思いました。
サンタクロースなんて架空の人物で
そんな話はとっくに卒業したはずなのに・・・
でも手紙には・・・


サンタクロースなんているもんか、
と思っておるのじゃろう。
サンタクロースを見たかったら、
クリスマスイブにサンタクロースの国にくるとよい。
世界中の国々に飛び立つサンタクロースのソリを、
一般公開しておる。
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ナオミは、またわからなくなりました。
どうやらこれはケーキ屋どころではなさそうです。
もしかするとフライドチキンの店かもしれない!?
ナオミの脳裏に、小太りで、
めがねをかけ、いつもニコニコして町角に立っている、
とあるおじいさんの姿がうかびました。


 わしはみんなの視線を浴びながらソリに乗り込む。
まるでスターになったきぶんじゃ。あたりは大騒ぎさ。
みんなの寝顔を見るのもいいが、
幸せそうな笑顔を見るのは、
もっといいもんじゃよ。
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ナオミはちょっとばかり想像してみました。
もし自分がサンタクロースの国に行けたら!
なんてわくわくする光景なのでしょう。
そうか、これは旅行会社のパンフレットなんだ!?
『冬休みはスキーをかねてサンタクロースの国へ!!』
こんなキャッチコピーがうかびました。


みんなわしに手をふってくれておる。
いよいよ出発じゃ。忘れ物はないかな?

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 それからわしは、トナカイたちに、
「さあ、行こう!」と声をかける。
するとそりはあっというまに空の上。
空気は冷たいが、とてもよい気持ちじゃ。
いちど乗せてやりたいくらいじゃよ。



  この手紙は航空会社のパンフレットかもしれない!?
ナオミは考えました。
北欧の空を遊覧飛行する会社なのです。
でも、ナオミは高いところはちょっと苦手です。
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 めざす家に到着すると、さあ仕事じゃ。
エントツから、といいたいところじゃが、
近頃はエントツのない家が多いから大変じゃ。
なんとか家に入りプレゼントを置いたら、
すぐ次の子の家にいかなきゃならん。
プレゼントのリストは、
子供たちの名前でいっぱいじゃ。



  こんどは警備会社のパンフレットかな?
ナオミは思いました。
『サンタクロースも入れない防犯装置』じゃ、
サンタクロースがかわいそうです。
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 目のまわるような夜を過ごして、
クリスマスの朝に帰ってくるころは、
もうへとへとじゃが気分はそう快じゃ。
この一夜のために、一年を過ごしておるからな。
わしは妻に子供たちの様子を話してやる。
あの子は今年もいい子にしておったよ、
というと、妻はとても嬉しそうじゃ。
そうそう、わしは ナオミの、子供のときの
寝顔を見たこともあるんじゃよ。



  結婚案内のパンフレットだったのか、
ナオミは思いました。
でもサンタクロースにもおくさんがいるなんて!
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 クリスマスの前には、
たくさんのおもちゃを作る仕事がわしを待っておる。
家では、一日中にぎやかな音がしているが、
それはおもちゃを作る音なんじゃ。


こんどは隣町にできた大きなおもちゃやさんかな?
ナオミは考えました。
そして子供のころ、目が覚めると、
きまって枕元に置かれていた
プレゼントのことを思いうかべました。
昨夜までなかったおもちゃが、朝そこにあるのは、
とても不思議で、魔法のようでした。
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ナオミ
おまえさんはもうおもちゃで遊ぶ子供ではないが、
今回のクリスマスには、
特別にプレゼントをあげることにしよう。
はてさて、何だと思うかね?
この手紙を最後まで読んでくれればわかるが、
それはまだ秘密じゃ。
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そろそろたくさんのプレゼントが、
きれいに包まれて、いろんな国に旅立つところじゃ。
サンタクロースのプレゼントというもんは、
ただおもちゃを包んでいるだけではないぞ。
その中には、
夢だの、希望だの、感謝だの、愛情だのといった
気持ちがいっぱいつまっとる。
子供たちは、プレゼントをあけたとき、
その気持ちも一緒に受取ることになるんじゃ。
もちろん、ナオミ
ジェイクと、島袋への
プレゼントにも入っておるとも。
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 さあ、いよいよ出発じゃ。
わしはおなじみの赤い服を着る。
北極の空の凍るような寒さも気にならんような、
完全防寒仕様じゃ。
プレゼントをつめた大きな袋をソリに乗せ、
たくさんの子供たちに会えるのももうすぐじゃ。
外はもう、しんしんと雪がふっておる。
  ナオミ、おまえさんへのプレゼントは、
筋肉質のジョニーにあずけておいた。
ま、楽しみにしておれ。
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 わしは空をひとっ飛び。
ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジア、そして
川崎市にもプレゼントを届けにいくぞ。
プレゼントを待っとる子供たちは世界中におるからな。
そうじゃ、忘れておった。
わしがこんな手紙を書いたのは、理由がある。
プレゼントが無事おまえさんへ届くには、
ひとつ条件があるからなんじゃ。
それはクリスマスの朝に、ひと言こういえばよい。
つけくわえるなら、できるだけ明るく、楽しくやってくれ。


ナオミは、いそいで最後の紙をめくりました。
そこには…
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メリークリスマス!




 ナオミは、
ジェイクと、島袋への
プレゼントを選びにコートをはおると、
楽しそうに出かけて行きました。
ポケットには、
サンタクロースからの手紙が入っています・・・
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